プラスチック製品を大量に生産するには、まず金型を製作し、その型に樹脂を流し込み量産成形を行います。
熱可塑性のプラスチック製品を大量生産するための金型は、一般的にはS50Cや調質鋼と呼ばれる予め硬度が調整された鋼材(HRC30~40程度)、SKD61などの焼き入れ鋼など、用途に応じた硬度の鋼材を使用します。
生産量が増えるほど、金型の耐久性を向上させるために高硬な金型材質が必要になります。
では、大量生産用の量産金型の製作方法、構造と比べて、簡易金型とはどのようなものなのでしょうか。
特にアルミニウム合金を採用したアルミ金型は35年以上前から取組み、加工テストを重ねているため、私たちが最も得意とする分野です。
製品形状によってはアルミよりも鋼材を用いた方が良い場合があります。
どのような金型構造、金型材質にするかは製品形状を確認し、都度提案させて頂いています。
コネクタなどの複雑な形状やPPSといった高温で使用される樹脂にはアルミ金型では対応できない場合があります。複雑な形状の場合には硬度の高い鋼材を使う事が望ましいですが、金型製作時の加工性などを考え、必要な部分だけは高硬度の鋼材を使い、比較的簡易的な形状部分にはアルミニウム合金を使う、鉄とアルミのハイブリッド金型で対応しています。
また形状が簡易的であっても、高温下で長時間成形持続する場合にはアルミの機械的性質が低下するため、アルミは使用せず鋼材で金型を製作する場合があります。